簡易隔離室は、従来のプレハブをはじめ、医療用テントや医療コンテナ、陰圧装置を備えたエアー式の簡易陰圧室など、各社さまざまな製品があります。
プレハブ施設は、小規模から大規模まで、ニーズに合わせて自由に設計できる点が強みです。診察だけの簡易診察室はもちろん、レントゲン室やCTスキャン室なども備えた、新型コロナウイルス対応専門の仮設医療施設を作ることも可能です。ただし、設置は専門の業者に任せる必要があり、完成まで時間がかかる場合があります。
医療コンテナは、非常に頑丈な点が魅力です。台風や暴風、地震など自然災害にも倒壊の心配などがありません。「陰圧設備」を内蔵した医療用コンテナなら、より安全に運用することができるでしょう。
エアー式の簡易陰圧室は、株式会社ワンステップが開発した簡易式の陰圧室です。テントの立ち上げ時間は、送風機を使えば約5分。コンパクトに収納でき、サイズやレイアウトも自由自在に行えます。ただしエアー式なので、屋外での利用には向きません。
簡易隔離室は「簡易」とはいえプレハブやコンテナは建造物となるため、建築基準法に基づく手続きが発生します。建てる土地を確保し、実際に建て終わるまでの時間は数か月かかることを考えると、すぐの対応が難しくなるケースも少なくありません。
そこで簡易隔離室として注目されているのがドームハウスです。
組み立て式のドームハウスであれば、建築確認申請は不要とされています。数日で納品されてからすぐに組み立てられる点は、医療施設において大きなメリットと言えるでしょう。
厚生労働省では、新型コロナウイルスの感染防止対策として、2020年以降、医療機関が「発熱外来室・臨時待機室」などを導入する場合は補助金を交付しており、ドームハウスも交付の対象となっています(※)。
ドームハウスは、他の製品と同様、簡易隔離室として利用することが可能で、省スペースで簡単に組み立てられる上、耐久性や断熱性に優れており、屋外でも快適に使用することができます。
次に紹介するイージードームハウスであれば、ドア1ヶ所、窓3ヶ所を備えた通気性に、ドアや窓を増設することで、さらに換気効率を向上させることが可能。また、車いすやストレッチャーに乗ったままでも患者が出入りできるように、開口部が広い両開きドアにすることもできます。一般的なプレハブ型建築物と比べて、費用も割安。オシャレでインパクトあるドーム型施設は、道行く人の目も惹きやすく、ウイルス感染対策をしっかり行っているクリニックとして、安心感を与えるでしょう。
※参照元:イージードーム公式 https://ezdome.jp/iryou/
イージードームハウスは、直径3.3m×高さ2.6mのドーム型ハウスで、簡単な工具で60〜90分ほどで組み立てることが可能です。医療従事者が身に着けている化学用防護服と同じ材質のHDPE(高密度ポリエチレン)でできており、ウイルスを通過させない、ウイルスを付着させないのが強みです。また、ドームの内側も外側も水で丸洗いすることが可能。耐久性や耐水性、耐熱性、保温性にも優れているため、ドーム内部を常に快適な温度に維持してくれます。
オプション製品も多様で、専用の棚・カーペット・サンバイザー・冷暖房エアコン、システムキッチンなどを組み合わせることにより、さまざまなニーズに対応することが可能。 すでに多くの医療機関で、「発熱外来」「緊急隔離スペース」「臨時診察室・待合室」「簡易陰圧室」「PCR検体採取室」などとして導入されています。
新型コロナウイルスの流行により、大学病院から個人クリニックまで臨時診察室・簡易隔離室のニーズが高まっています。各社さまざまな製品を販売しており、従来のプレハブをはじめ、医療用テント、医療コンテナ、エアー式の簡易陰圧室など、ニーズに合わせて選ぶことが可能です。
ドームハウスは、省スペースにスピーディーに設置ができる上、耐久性・耐水性・断熱性などにも優れているため、臨時診察室・簡易隔離室としてはもちろん、療養施設などにもおすすめ。 医療用・簡易隔離室を検討している方は、ぜひドームハウスも検討してみて下さい。
ドームハウスはクリニックへの導入も可能です。スペースさえあれば、自分で設置することもできます。実際にどのような導入事例があるのか、写真付きで紹介しますので参考にしてください。
ここでは、「簡易隔離室や緊急外来」「ドーム型病室」の事例を紹介します。
ドームハウスによる簡易診察室の事例です。見た目はコンパクトなサイジング、ドームハウスらしいキュートな外観です。でも見た目は可愛くても、中身は医療処置に必要な様々な機能・性能を備えており、実際に導入した医療現場では高い評価を得ています。
現在、医療現場ではコロナウイルス対策はもちろん、従来からの季節性インフルエンザにも備える必要があり、首尾よく対応するため、ドームハウスの簡易隔離室や緊急外来を導入するケースが増えています。
注目ポイントは、ドームハウスならではの幅広い性能です。設置性の良さや撤去・移動のしやすさ、コンパクトなサイズながら診療用机やベッドなどを設置できる空間、通気性の良さ、洗浄や消毒がしやすい素材が使用されていることなど、まさに、スピードと緊急性が求められる管理隔離室や緊急外来にふさわしい条件を備えています。
直径3・3メートル、高さ2・6メートルの小柄なドーム型病室の事例です。球形のドームハウスはおしゃれかわいいデザインもさることながら、機能性が充実。外壁に高密度ポリエチレン製のパネルを採用し、防雨・防音・保温性に優れています。
内部の広さは4畳半程度ですが、それでも患者のベッドや医療機器を設置できるスペースを確保。レイアウトを工夫すれば余裕のある空間をつくることも可能です。
ドーム型病室は元々、災害時の仮設住宅を想定していましたが、現在は新型コロナウイルスの感染拡大により、院内感染防止のための隔離スペースとして注目されています。ドームといっても、設置は簡単。車2台分のスペースがあれば1時間半ほどで設営できます。
ドームハウスのクリニックへの導入事例を紹介しました。管理隔離室や緊急外来、ドーム型病室など意外に用途の幅が広いことがわかります。即席でありながら、素材の品質や機能性、耐久性を兼ね備えているところが、緊急性の高い医療ニーズに合致しているようです。とりわけ、わずか1時間ほど、しかも施工業者いらずで素早く設営できるのは、簡易隔離施設や緊急外来にとっては重宝したい魅力でしょう。ドームハウスのクリニックへの導入事例は今後ますます増えそうです。
ドームハウス導入の際に
チェックしておきたい
ドームハウスのメーカー一覧
感染症対策に有効な、コンテナ型の移動型簡易診療所です。感染症拡大を防止するため、陰圧設備が内蔵されています。発熱など感染症が疑われる患者を病院外で診察することができ、医療従事者の感染リスクはもちろん、病院内への感染リスクを最小限まで減らすことができます。
空きスペースに設置するだけで簡易診療所となるため、導入がスピーディです。また移動や撤去も楽に行えるメリットもあります。ドライブスルー診察にも使用できます。
ただし、コンテナを置くスペースが必要ですので、駐車場に設置した場合は患者の駐車スペースがなくなる可能性もあります。
中部徳洲会病院に設置されたモバイルクリニックです。本社ニューヨークのゼネラルエアが開発したコンテナで、陰圧浄化システム、消毒システム、空気清浄機、エアフィルター、空気消毒・滅菌装置などの空気環境を制御する設備を内蔵しています。
中部徳洲会病院では、ER・救急センター搬入口に近い1階駐車スペースに設置し、ドライブスルー診療として活用。患者は車から降りずに待つことができ、感染症予防になります。
プレハブ型療養施設は、すでに完成している個室を輸送してきて設置するだけなので、短時間に低コストで設置することが可能です。感染症で隔離する必要のある患者の、一時的な療養所として十分に機能できます。
広大な土地があれば、1000床という巨大な施設も設置可能。建築すれば膨大な費用と時間がかかるところ、スピーディに療養施設が完成します。
また不必要になった場合の撤去も簡単にできるのもメリットです。
ただし規格やデザインは限られており、レイアウトの自由度は低くなります。
世界的パンデミックにより、病床不足による感染者の療養施設不足が深刻化しました。そこで軽症者や隔離療養する患者を受け入れるための施設が急遽必要となり、お台場に臨時のプレハブ型療養施設が設置されました。
プレハブハウスは、1室20㎡のワンルームマンション並みの広さがあり、テレビ・冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機・ナースコールを完備。すべて平屋なので医療従事者も階段の上り下りの負担がなく、双方にとって配慮された施設となっています。
新型コロナウイルスの流行により、院内感染を防止するための臨時診察室のニーズが高まっています。発熱や咳などの症状があり、新型コロナ感染の疑いがある患者の待合室や診察室は、クラスターを避けるため、他の患者と区別する必要があります。しかし、新たなスペースを確保し、専用隔離室を建築するのは費用も時間もかかるもの。多くのクリニックが時間差で診察したり、駐車場の車内で診察するなど、対応に追われています。
このサイトで紹介している7社(※)のドームハウスの主な用途や価格、大きさについて、一覧表にしてみました。気になる用途や予算に合わせて、ピッタリのドームハウスを見つけて下さい。
※2021年11月調査時点、Googleで「ドームハウス」と検索したとき表示された会社を紹介しています。
製品名 | 主な用途 | 価格 | 大きさ・広さ |
---|---|---|---|
イージードームハウス
|
|
998,800円~
|
外寸: |
ジャパンドームハウス
|
|
要問合せ
|
7700型ドーム: |
FDomes
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|
1,192,000円~
|
10畳~40畳 |
BESS DOME
|
|
7,700,000円~
|
φ8.2m・φ9.5m・φ11m |
EARTHDOME
|
|
190,300円~ ※ガーデンイグルー参考価格 |
高さ2.2m×直径3.6m |
deluxs
|
|
262,350円~ ※エコドーム参考価格 |
D3.6m*H2.2m |
FRPドームハウス
|
|
1,228,000円~ ※税不明 |
22平方メートル(約6.6坪) |
製品名 |
イージードームハウス
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ジャパンドームハウス
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FDomes
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BESS DOME
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EARTHDOME
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deluxs
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FRPドームハウス
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主な用途 |
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価格 |
998,800円~
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要問い合わせ
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1,192,000円~
|
7,700,000円~
|
190,300円~
※ガーデンイグルー参考価格 |
262,350円~
※エコドーム参考価格 |
1,228,000円~
※税不明 |
大きさ・広さ |
【外寸】 |
【7700型ドーム】 |
10畳~40畳 |
φ8.2m・φ9.5m・φ11m |
高さ2.2m×直径3.6m |
D3.6m*H2.2m |
22平方メートル(約6.6坪) |
※上記は2021年11月調査時点の情報です。消費税に関して記載がない価格はすべて税込です。価格はドームハウスとして各社で商品展開しているもののうち、最も安い価格を掲載しています。
「主な用途」については、導入事例をメインに、各社公式サイトの情報を元に調査したものを掲載しています。詳細につきましては各社公式サイト・SNSをご確認ください。